HOME相撲漫画@(岡本一平作)
 相撲漫詩 M
両国が相撲を取る前には
神経質らしく顔を痙攣させる。
自分の勝負が済むと今度は
控力士として次力士の為に
痙攣してやってる。

 相撲漫詩 N
鶴ヶ浜の仕切の癖
相手の顔を見ては
砂を取って手へこすりつける
三遍以上屹度やる様子が
「手前今に見てろこう団子に丸めてやるから」
と云うものの如し

 相撲漫詩 O
東方力士付の車夫
酔って炉にあたって居たが見て来た大ノ里、
阿久津の預かりについてまだ不平だ。
「あんなことってねえなァ、えい、兄弟え」
友達の前へ進もうとして炭火の上を歩いて行く
酔える車夫さんは火渡りの行者なるかも

 相撲漫詩 P
常ノ花が清瀬に負けた
この一点は彼を近き将来に於いて
横綱にさせるさせぬにも関する
大事な点でもあるのだ。
彼が泣き顔になったも道理なるかも。

 相撲漫詩 Q
栃木山につきはなされた小牛田山
勢い余って検査役湊川の
頭の上へ足を廻し三番叟を舞った
千秋楽に三番叟はお門違いなるかも

 漫畫ずもう @
六尺四寸の対馬灘に立ち向かう紅葉川は小兵で半分位しかない。
到底相撲になるまいと思いのほか立ち上がるや
息もつかせずばんばん突き出して仕舞った。
土俵際にては紅葉川急に身体から
五六本手が出て腋の下から羽根が生えた、
天狗の化身かの、どうもそうらしい面だ。

 漫畫ずもう A
この書を大福餅に小楊枝が
刺さったところと受け取っては困る。
紅葉川が横綱大錦をグングン押し立てて
とうとう土俵際に押し切ったところだ。

 漫畫ずもう B
鳳君が後ずさりしつつ大ノ里君の
突っ張りを叩き込んだ。
つんのめった大ノ里君は
何処かつかまへどころはないかと
鳳君の身体へ手を遣る。
鳳君の身体は電車ではないから吊革は無かった。
つるつる滑って腿から足へずっこけて仕舞った。
大ノ里君はゆるんだ褌みたいな関取さんだよ。

 漫畫ずもう C
三杉磯がイナされて土俵を駆け出すところ。
その上追駆け源氏が送り出すところ。
この勢いをどこまでも続けて行けば
多分亀戸から船橋を抜けて
今夜は千葉泊りという事になるだろう。

 漫畫ずもう D
栃木君捻られた体勢を挽回する時
大潮君の面前へ失礼な左の大足を二ュッと出した。
大潮君この大足齧り付かずんばあるべからずと
右手で齧り付いた。それからカマキリがスルメを
噛む様な顔をして外枠で渡し込んだ。

P1 P2 P3 P4 P5 P6 P7
[管理]
CGI-design